ARM株が16%急騰した理由|中東停戦期待で原油下落、SpaceX IPOの最新情報
← 日次レポート一覧に戻る

米国株主要指数続伸、ARM急騰で市場活況 中東停戦期待が原油下落|2026年3月26日

2026年3月25日の米国株式市場は、中東休戦期待とARMの急騰で主要指数が上昇。S&P500は200日線近辺で推移。コンシューマー・ディスクリタリーが牽引し、原油下落でエネルギーセクターは軟調。SpaceX史上最大IPOの可能性やFRB金融政策の今後を解説。

株式債券商品米国中東欧州中東情勢金融政策IPO原油テクノロジー株市場分析

米国株式市場:主要指数は上昇、休戦期待が市場を押し上げ

2026年3月25日の米国株式市場は、中東における休戦への期待感から主要指数が上昇したものの、前日の火曜日のような力強い勢いは見られなかった。ダウ・ジョーンズ工業株平均は46,428.72ドルで取引を終え、304.66ドル(+0.66%)上昇した。S&P 500は6,591.98ドル(+35.61ドル、+0.54%)で引け、NASDAQは21,929.83ドル(+167.94ドル、+0.77%)の上昇を記録した。小型株指数のラッセル2000指数は2,536.41ドル(+30.96ドル、+1.24%)と、主要指数をアウトパフォームした。S&P 500は一時200日移動平均線を上回る場面もあったが、終値ではわずかに下回った。

セクター別動向:コンシューマー・ディスクリタリーが牽引、エネルギーは下落

S&P 500の11セクター中9セクターが上昇した。コンシューマー・ディスクリタリーが+1.18%と最大の上げ幅を記録し、情報技術 (+0.56%)、ヘルスケア (+0.98%) がこれに続いた。テクノロジー株や宇宙関連株が市場を牽引する中、エネルギーセクターは原油価格の下落を受けて-0.52%と、主要な下落セクターとなった。

注目銘柄・資産:ARMが大幅高、原油は停戦期待で軟調

上昇銘柄:

  • ARM Holdings PLC (ARM)は、Meta Platformsとのチップ販売提携のニュースを受けて+16.38%と大幅に上昇した。
  • SpaceXのIPOに関する憶測が広がる中、宇宙・衛星関連企業も活況を呈し、Echostar Corp、Rocket Lab Corp、AST Spacemobile Incは、それぞれ約7.43%から10.44%の上昇を記録した。
  • JetBlue Airways (JBLU)は、他社への身売り検討の報道により+13.37%高となった。
  • Meta Platforms Incは約0.9%上昇して約598ドル台、Alphabet A-Sharesは約0.1%未満の上昇で約290ドル台で推移した。これらソーシャルメディア大手2社は、若者のソーシャルメディア中毒をめぐる裁判で法的責任を負うとの判決が下されたにもかかわらず、小幅ながら上昇した。

下落銘柄:

  • Valero Energy (VLO)は、テキサス州ポートアーサーの製油所火災により-2.98%下落した。
  • Generac Holdings Inc (GNRC)は、投資家説明会でハイパースケーラーとの提携発表がなかったことに投資家が失望し、-1.94%安となった。
  • On Holding AG (ONON)は、CEO退任と共同CEO体制への移行発表を受け、-11.19%の大幅下落を記録した。
  • Walt Disney (DIS)は、OpenAIによる動画生成アプリ「Sora」のシャットダウン計画に伴い、同社が計画していた10億ドルの投資が中止となる見込みとの報道を受け、96.15ドル (-0.24ドル, -0.25%) で推移した。

商品/暗号資産:

  • 原油市場は、中東停戦交渉進展への期待を好材料と捉え、価格が下落した。ブレント原油は日中に一時97.15ドルまで下落した後103ドル付近まで回復したが、日初は7%近く下落した。週間では1バレル100ドルを下回り、一時98.08ドルまで下落し、5.85%から最大6.41%の下落を記録した。NY原油も一時87.08ドルまで下落し、5.27%から最大5.62%の下落を記録した。欧州ガス先物も、7.66%から最大8.06%の下落を記録し、49.685へと軟調に推移した。

IPO関連:

  • SpaceXの新規株式公開(IPO)が、調達額と評価額の両方で史上最大規模となる可能性が議論された。報道によると、SpaceXは6月にIPOを目指しており、そのターゲットIPO評価額は1.75兆ドルとされ、過去最大のIPOであったサウジアラビアのAramcoの1.706兆ドルを上回る可能性がある。既存投資家にはFidelity、EchoStar、Google、Bank of Americaなどが名を連ねている。

マクロ・地政学:中東停戦期待と米金利の先行き

金利動向: 米国債利回りは全般的にわずかに低下した。US 2年債は3.8709% (-0.0178%)、US 10年債は4.3223% (-0.0376%)、US 30年債は4.8897% (-0.0377%) で推移した。Pimcoの見解によると、連邦準備制度(FRB)の利上げに対するハードルは高く、特に雇用創出の停滞や中東情勢の不確実性を考慮すると、利上げを一時的に見送る可能性が高いとされた。欧州中央銀行(ECB)は物価安定の単一使命に縛られるため、FRBよりも利上げを検討しやすい状況にあるが、過去の失敗から慎重な判断が求められるだろうと指摘された。Pimcoは、米国の利上げ期待がやや行き過ぎであるとの見解を表明している。

政策・規制: MetaとGoogleは、若者のソーシャルメディア中毒をめぐる裁判で法的責任を負うとの判決が下され、補償的損害賠償として300万ドルが認められた。今後、懲罰的損害賠償の額を決定するための別の審理が予定されており、これは数千件に上る類似訴訟の試金石と位置付けられている。ニューメキシコ州は別途Meta社を提訴し、子供の安全に関する違反で3億7500万ドルの支払いを命じる判決を勝ち取った。これは州が単独でソーシャルメディア大手に勝利した初の事例であり、Meta社は両判決に対し控訴する意向を表明している。また、ワシントンでは予測市場の規制を巡る議論が活発化しており、州の権限とするか連邦政府による規制とするかで意見が分かれている。国土安全保障省(DHS)の予算案は、民主党がICE(移民税関執行局)への資金提供に強い反対姿勢を示していることを原因として議会で頓挫した。

地政学リスク: 中東情勢に関して、米国はイランに対し15項目からなる停戦案を提示し、イランはこれを受領したと報じられた。この報道は原油市場に好感され、価格下落を招いた。しかし、ドナルド・トランプ大統領が米イラン間に対話があると発言したものの、イラン側はこれを否定しており、状況は「外交の霧」に包まれていると表現された。物理的な市場では、ホルムズ海峡が依然として完全に開放されておらず、イランは中国やインドへ向かう一部の貨物船のみを有料で通過させている状況が続いている。

経済見通し: 保険会社幹部の間では、経済の減速と地政学的な緊張がポートフォリオにとって最大の脅威であるとの見方が広がり、今後3年以内に米国経済がリセッションに陥るとの予測が示されている。

関連分析: 前日のS&P500 200日線割れと米国株下落の理由イラン停戦報道で原油が12%急落した経緯もあわせてご確認ください。

今後の注目点

  • SpaceXのIPOが6月に史上最大規模で実現するかどうか、および既存投資家の株式売却動向。
  • MetaとGoogleに対する懲罰的損害賠償額を決定する審理の行方、およびソーシャルメディア企業が類似訴訟に対し和解に柔軟な姿勢を見せるか否か。
  • FRBおよびECBの金融政策決定会合における、利上げスタンスや中立金利への引き下げ傾向に関する動向。
  • 中東停戦交渉の進展状況、特にイランが米国からの停戦案を実際に受け入れるか、そしてホルムズ海峡が完全に開放される時期。
  • 米国議会におけるDHS予算案の進展と、予測市場の規制に関する議論の行方。
  • OpenAIのIPOに向けた事業選択と集中の進展、特に広告戦略やエンタープライズ契約の獲得状況。

よくある質問

ARM株が16%急騰した理由は?
ARM Holdings PLCは、Meta Platformsとのチップ販売提携のニュースを受けて+16.38%と大幅に上昇しました。AIコンピューティング需要の拡大に伴い、ARMのチップ設計アーキテクチャの採用が加速している構図です。
SpaceXのIPOはいつ行われる?
報道によるとSpaceXは2026年6月にIPOを目指しており、ターゲット評価額は1.75兆ドルで、過去最大のIPOであったサウジアラムコの1.706兆ドルを上回る史上最大規模となる可能性があります。既存投資家にはFidelity、Google、Bank of Americaなどが含まれます。
中東の停戦交渉は進んでいるのか?
米国はイランに15項目の停戦案を提示し、イランは受領したと報じられています。ただし、トランプ大統領の対話発言をイラン側が否定するなど「外交の霧」に包まれた状態です。ホルムズ海峡は完全開放されておらず、イランは中国・インド向け貨物のみ有料で通過を許可しています。

関連記事